yuttan's diary

2020年12月に生まれた女の子を持つ父親です。妊娠、出産、育児を通して感じたことを綴ります。

退院と育児休暇の開始

少し間が空いてしまいましたが、前回は立ち合い出産を経験して感じたことなどを書きました。

 

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今回は赤ちゃんと妻の退院から、私が年明けから1ヶ月間育児休暇を取得したので、何を考えて取得に至ったかと、どう動いたかについて書いていきます。

 

以前の記事でお伝えしました通り、妻は抗リン脂質抗体症候群を持っており、妊娠中は1日に2回の自己注射によるヘパリンの投与を行っておりました。

出産したことによって再度ワーファリンへの切り替えを行うことになったのですが、もともとワーファリンに対する反応が鈍いこともあり、別途管理入院をすることになりました。

通常、出産後、何も問題が無ければ出産日を入れて6日間後に退院となるケースが多いかと思いますが、我が家の場合は赤ちゃんの退院は生後14日目に、妻の退院はそこから遅れること4日後になりました。

何とか妻の退院まで一緒にいさせてほしかったですが、規定上如何ともしがたいところだったようで、仕方ないかなと思っています。

私自身コロナ禍で面会にもいけなかったのでいい加減赤ちゃんに会いたかったですしね(笑)

 

赤ちゃん退院のタイミングでは私はまだ休暇に入る前だったので、母が泊まり込みでお世話をしに来てくれ、妻の退院を待つという形になりました。

これはこれで母にとってもいい思い出となったようで、一種の親孝行であったかなとも思わないでもないです(笑)

 

それはさておき、赤ちゃん誕生から18日目にしてやっと家族3人が揃うことと相成りました。

この後もうすぐで年末の休暇に入るタイミングでしたので、その間は母のサポートも得ながら日中は妻に頑張ってもらっていました。

 

そしてその後、年末年始の休暇を挟んで育児休暇が開始となります。

 

昨今、日本国内において男性の育児休暇取得率が非常に低く、どうにかして上げねばならない、といった言説をよく目にします。

実際、2019年のデータでは男女とも上昇傾向にはあるものの、女性の取得率が83.0%であるのに対し、男性は7.48%にとどまっているようです。

加えて、これは短期の取得も含まれた率のようなので、実際に十分な取得ができている男性はごくまれな存在なのかもしれません。

1ヶ月が十分であるかという議論はありますが、それはさておくとして、私が育児休暇を取得しようと思うに至った考え方は以下の3点です。

出産に伴って里帰りをしないため、可能な限り妻の負担を下げたかった。

一生に一度しかない第一子の生後間もない期間、育児にフルコミットすることで全瞬間を体感したかった。

社内の体制として、私が育児休暇を取得してもお客様へのサービスを変わらず提供することが可能であると判断した。

 

前提としてですが、私は在宅勤務をしていますので、育児休暇を取得せずとも家事は全てできますし、日中の赤子のお世話だけを妻に担ってもらうというやり方は可能でした。

実家も近いため母のサポートを受けることも可能でしたし、そういった意味で妻の負担を減らすためという理由で育児休暇を取得することが必須であったかといわれるとそうではないかもしれません。

 

それでもなお、取得に踏み切ったのはエゴイスティックに言えば2番目に挙げた

>一生に一度しかない第一子の生後間もない期間、育児にフルコミットすることで全瞬間を体感したかった。

に尽きるのかもしれません。

仕事に使っている部屋はリビングの隣なので何かあればすぐに動けましたが、一生に一度しかない初めての体験を妻と共有できないということがどうしても許容できませんでした。

そして、社内体制としても雰囲気としても取得することへのハードルは非常に低いと判断し、取得をするに至りました。

 

世の中では取得したいけれど会社がそれを許容してくれないという話も聞きますので、私は環境に恵まれていたのかもしれません。

ただ、何らかの理由で急遽長期休暇を取得しなくてはならないケースはあると思うので、それを受け入れられない体制ってどうなの?と考えてしまいますよね。

休暇取得中に他のメンバーへの負担が増えることは事実ですが、そこはチームなので持ちつ持たれつ。逆に言えば他メンバーの成長の機会でもあるわけなので、負の面ばかりでなく良いことにも目を向けてほしいと思います。

 

少し話が逸れましたが、以上が私が育児休暇を取得するに至った経緯です。

ただ、ここでお断りさせていただきたいのは私自身、育児休暇を取得することが絶対的正義であるとは考えていません。

育児休暇取得の絶対的なデメリットとして、期間中の収入が下がることは避けられませんので。

大切なのは夫婦間で合意が取れていることと、奥様が回復に専念できることかなと思うので、それらが担保されているのであれば旦那は仕事に勤しむのも一つの形としてはアリだと思います。我が家の価値観ではなかっただけというお話です。

 

いずれにせよ、選択肢として出産後育児休暇を取得するか否かの判断が身の置かれている環境によって左右されないようになればいいなあと思います。

夫視点での立ち合いレポート⑤ - 立ち合い総括

前回は無痛分娩についてを書きました。

 

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今回は順番前後した感じもありますが、立ち合いを通して得た学び、感じたことなどをこれから立ち合いをされる方向けに書いていきます。あくまで旦那視点です。

 

・立ち合いをする前に「あれもやろうこれもやろう」と思っていたが、想像以上にできることは少ない

→大別してしまえば「奥様の精神的な苦痛を和らげること」と「場を乱さないこと」の2つです。当日は恐らく旦那側も余裕がないので細かなことにまで気を回すことは難しかったです。

 

・マッサージのやり方は助産師さんや看護師さんに聞いて真似をすべし

→マッサージのやり方はネットなどで調べれば色々出てきますが、何が良いかは実際にやってみないとよくわかりません。またお産の経過に沿って求められるマッサージも変わるので、自分の判断だけでなくプロに話を聞いて真似するのが良いでしょう。

 

・旦那の居場所が固い丸椅子の上だけなので、クッションなどを持っていくべし

これは産院によって事情が異なると思いますが、私の場合は陣痛室における居場所が固い椅子の上だけで腰が滅茶苦茶痛くなりました。出産後に必要になる円座クッションとかでいいと思いますので、持っていくことを切にオススメします。

 

・びっくりするくらい水分をとる

私の妻の場合、24時間で6Lほどの水分を摂りました。日頃そこまで摂る方ではないですが、身体が求めるのでしょうね。

 

・ペットボトルにつけられるストローは必須

これは皆さん持っていくと思いますが絶対に必要です。いろんなタイプがありますが、ストローの先端が曲がるタイプがいいと思います。

 

・ゼリーなど簡単に食べられるものは重宝する

出産は非常に体力を使うものですが、落ち着いて食事をとる余裕はありません。奥様にはもちろん、立ち合いの旦那側としても簡単に口に入れられるゼリー類は非常に重宝しました。

 

・陣痛時、どうしても呼吸が浅くなるので、ウザがられてもゆっくり吐くことを意識付け

奥様は陣痛に耐えることに必死なので、呼吸は深くとわかっていても自然と浅くなるものです。これは自然なことだと思いますが、赤ちゃんのことを考えると呼吸は深くすべしというのも事実だと思いますので、旦那はたとえウザがられようとも繰り返し深い呼吸を意識付けさせていきましょう。

 

・陣痛時に手を握るとかつてない力で握られる上、爪が食い込むので注意

たまに「立ち合いにきていた旦那の手を折ってしまった」なんてのを目にしますが、正直盛ってるだろと思ってました。

が、実際に立ち会うと本当に尋常じゃない力で握られるのが分かりましたし、折れてしまうこともあるかもしれないなと思いました。

私の場合陣痛開始からあまり時間が経たないうちに気づきましたが、妻の爪が手に食い込み、皮膚がえぐれかけてたので、手を握ることはいいと思いますが何らかのカバーや握る場所を考えるなどは必要だと思います。

 

・色々想定外のことは起こるが慌てない

お産の経過は人それぞれなので、事前に様々リサーチをしたところで我々素人の予想を超える事態は起こります。そこで旦那の役割は慌てることではなく、少なくとも表面上はどっしり構えてプロに任せるということだと思うので、テンパらないように気をつけましょう。

 

・いざ出てくる瞬間、力を振り絞る奥様と対照的にある種冷静に神秘的な瞬間全部を見ることができるので、目に焼き付けておくべし

無痛分娩の時は必ずしも合致しない部分もあるかと思いますが、赤ちゃんが出てくる瞬間は奥様は精一杯であることが多いと思います。

また、角度的な問題からも赤ちゃんが本当に出てくる瞬間は見えないでしょう。

ですが、旦那は違います。立位なので本当に出てくる瞬間が見えます。精神的には分かりませんが、少なくとも肉体的には余裕があるでしょう。

赤ちゃんが出てくる瞬間というのは本当に神秘的です。どんな格好で、どんな皮膚の色をしていて、どんな顔をしているのか。いつどんな声で泣くのか。ここではあえて伏せておきますが、すべてを焼き付けてください。

 

・出産後、すぐ体重測定等に行くが、そこには立ち合い者がついていくので楽しむべし

これももしかすると産院によって違うかもしれませんね。

我々の場合は妻が会陰縫合や洗浄をしている間に私が体重測定などに立ち会いました。

赤ちゃんの顔や様子は生まれた瞬間からどんどん変わっていきますので、その全部を楽しみましょう。体重測定の後、ふにゃんふにゃんの我が子を30分ほどでしたが抱かせてもらったあの感覚は忘れようがないですね。

 

・楽しんだもの勝ち

苦しんでいる妻の横で楽しめるわけないだろ!とおしかりを受けそうですが、やっぱり楽しんだもの勝ちなんです。

奥様は精一杯だと思いますので、お産の経過を記憶できるのは旦那だけです。壮絶であることは否めませんが、その神秘さ、力強さを楽しむことは決して悪いことではないはずです。

 

いかがでしたでしょうか。

24時間以上の立ち合いをしたものの意見として、参考になれば幸いです。

ぜひ、素晴らしい立ち合い経験をしてください。

夫視点での立ち合いレポート④ - 無痛(和痛)分娩

前回は鉗子分娩で使用する産科鉗子の迫力にビビった話をしました。

 

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今回は私たちが選択した無痛(和痛)分娩について書きたいと思います。

タイトルとここまであえて無痛(和痛)分娩という書き方をしましたが、これらは産院によってどう呼ぶかが違うだけで差はないそうです。なので、以下では一般的に浸透しているであろう無痛分娩という表記に統一します。

 

無痛分娩とは

無痛分娩(むつうぶんべん、labor analgesia)とは、麻酔を用いて痛みを緩和しながら分娩(経膣分娩)を行うことである。麻酔は一般的に硬膜外麻酔。日本ではいまだ少数派であるが、欧米では無痛分娩が一般的である。専門医がいて設備が整った施設で行えば、自然分娩と比較してリスクが高いわけではない。しかし、日本では深刻な麻酔科医不足が続いており、産科にまでなかなか回せない状況が続いている。

出典:無痛分娩 - Wikipedia

 

少し古いデータですが、2014-2016年の日本における無痛分娩の割合は出産全体の5.3%だそうです。

同時期のフランスでは65.4%が無痛分娩だったことを鑑みると、日本は非常に少ないことが分かりますね。

一時期硬膜外麻酔の事故が重なった時期もあってか、無痛分娩に対する忌避感情は今でもとても色濃くあるようですね。

私も無痛分娩が絶対的にいいとは思いませんし、仮に母体へのダメージが少なくスムーズにお産が進みむのであれば自然分娩がいいんだろうなあ程度には思っています。

 

ただ、実際お産の経過は十人十色、痛みの感じ方も十人十色のようですし、それによって母体や胎児へのダメージが増えてしまうようであれば、多少のリスクを飲み込んでも全体のリスクを下げるために無痛分娩を選択するのは自然なことだと考えています。

私達の場合は

・お産の進みが非常に悪く(子宮口が一向に開かず)、それに反して痛みの度合いも強かった。

・途中から胎児が苦しいような兆候を出しており、そこからなるべく迅速なお産が求められた。

ことから、途中で陣痛促進剤投与+無痛分娩への切り替えを選択したのですが、胸を張って正解だったと言えます。

 

自然分娩至上主義の方の中で

「無痛分娩は赤ちゃんへの愛情が足りないから選択できるもの。愛情があれば1mmでもリスクの高まる手法を選べるわけがない。」

といった言い方をされるのを見たことがありますが、これは自然分娩を継続するリスクを度外視した物言いなわけで、無痛分娩を選択することが赤ちゃんへの愛情不足ということでは絶対にないと確信しています(尤も、リスクは飲み込めると判断して自分の痛みをとる為に無痛分娩を選択するのも別にいいじゃんねと思ってますが)。

 

少し話が逸れましたが、実際に無痛分娩を選択するか否かの際、どのようなリスクがあるのか、それをどう評価したらいいかは気になるところかと思います。

以下に私達が無痛分娩を選択するにあたって調べたこと、考えたことなどを記します。

・硬膜外麻酔が母体や赤ちゃんに与えるリスクは如何程か

これは皆さんも一番気になるところかと思います。確率はどうあれ実際に事故は起こってしまっているわけですし、麻酔と聞くと何となく怖い感じしますもんね。

で、私達も最初はどう考えていいかわからなかったので調べたり友人の医師・看護師に聞いたり、助産師さんに聞いたりした結果

「麻酔に関しては麻酔科医、あるいは少なくとも麻酔科医の指導をしっかりと受け実績もある産科医」が担当すればリスクは限りなく低いと言って良い(十分の見込める範囲内)という判断をしました。

私達がお産をするにあたって選択した病院は上記の条件に合致していたので、安心して無痛分娩を選択することができました。

 

また、麻酔が赤ちゃんに与える影響ですが、昔はともかく現在の手法では、母体に投与した麻酔薬は一部赤ちゃんに移行するものの、赤ちゃんの心拍、呼吸状態、筋緊張、皮膚の色、反射、意識状態や色々な刺激に対する反応を調べた結果、いずれも正常であるという研究結果が出ています。

母体に用いた麻酔量が通常より多い場合は生後24時間の赤ちゃんの反応や運動機能が少量の麻酔を投与された場合より低くなったという研究結果もありますが、この差は問題にならないほど小さいと考えられています。

さらに、時間がたった後で現れる影響がないか調べた研究も存在します。そこでは19歳までの学習障害の有無を指標としていますが、母体への麻酔投与有無が子どもの学習障害発生率を左右しないという結果が出ています。

よって、私達は麻酔が赤ちゃんに与える影響は無い(無視できるほど小さい)と判断しました。

参考:無痛分娩 Q&A | 一般社団法人 日本産科麻酔学会

 

・その他無痛分娩がはらむリスクは?

一番よくある問題は「微弱陣痛によって分娩に時間がかかること」です。

その他は母児に深刻な影響がないもの、あるいは発生頻度が低いものであるとされています。

微弱陣痛により、分娩に時間がかかる場合は陣痛促進剤を使用したり、吸引分娩あるいは鉗子分娩による補助が選択される可能性が高くなります。

私達の場合は無痛分娩の麻酔を入れる前からお産の進行が遅かったため、麻酔投与前に陣痛促進剤を使用しましたのでまた別のお話でしたが。

余談ですが妻曰く陣痛促進剤を使用した後から麻酔投与までの数時間が一番つらかったそうです。滞っていたお産が一気に進んだわけで、痛みが尋常ではなかったと言っていました。次回があれば絶対に最初から計画無痛にすると宣言しています(笑)

参考:無痛分娩のメリット・デメリット - 熊本市 | 産婦人科 無痛分娩 小児科 慈恵病院

 

・無痛分娩の追加費用は?

これはリスクという意味合いでは全くありませんが気になるところではあるかもしれません。

お産にかかる費用は産院によって全く異なりますので一概には言えないのかもしれませんが、私達に関して言えば追加で10万強かかっています。

麻酔の投与時間によっても多少上振れはありますが、これくらいのところが多いのではないでしょうか。

母親の苦しみをとり、お産をより良く行う為の費用としては決して高くないと思います。

 

 

少し長くなってしまいましたが、以上のような理由で私達の場合は無痛分娩のメリットがデメリットを大きく上回っており、リスクも十分に飲み込めるものであると判断しました。

妻の希望もあり、行けるとこまで自然分娩、途中で厳しくなったら無痛分娩に切り替えということにし、陣痛開始から12時間くらいたったところで無痛分娩を選択しました。

無痛分娩を選択したことによる問題は今のところ何も起きていませんし、何よりいざ出産というタイミングで妻に余裕があったのはとてもいいことだと思っています。赤ちゃんが出てくるところも見えたようですしね。

会陰縫合もそうですし出産後、胎盤が一部胎内に残ったため、手を突っ込んで書き出すということもしたんですが、本人は痛みが無いので全然気づかなかったそう。 こっちからすると中々の光景でしたけどね(笑)

何はともあれ、私達は無痛分娩を選択して本当に良かったと思っています。

もし第二子を授かることがあれば、その時も間違いなく無痛分娩を選択すると思います。

 

この記事が無痛分娩を選択するかどうか悩んでいるかたの一助になれば幸いです。

夫視点での立ち合いレポート③ - 鉗子分娩

前回は立ち合い出産当日の様子を書きました。

 

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今回はその中からピックアップのような形ですが、鉗子分娩について書きます。

鉗子分娩とは?や、鉗子分娩に立ち会って何を思ったか?などがお伝えできればと思います。

 

鉗子分娩とは

補助経腟分娩の手法のひとつ。鉗子は左右の2葉(左葉と右葉)に分解可能。

明らかな胎児機能不全などにより、急速遂娩が必要となった場合に適応、または微弱陣痛、回旋異常、無痛分娩、母体疲労の場合に適応。

鉗子分娩は吸引分娩よりも牽引力が大きく回旋異常にも対応できるため、吸引分娩では不可能な経腟分娩を完遂することができる。逆にこのことが欠点と関連しているが、吸引分娩と鉗子分娩は適応範囲が相同ではなく、児頭下降が中位以上、回旋異常など、より困難な分娩に鉗子分娩が選択された結果とも考えられる。後向きに結果をみて鉗子分娩のほうが危険だと結論することはできない。危険な補助経腟分娩は、吸引分娩であれ鉗子分娩であれ同様に危険なのであり、そのような状況では帝王切開を考慮する。中位以上の鉗子分娩では母児の合併症頻度が上昇するため、中位鉗子は慎重に適応を考慮する。帝王切開が比較的安全に施行できるようになったため、高位鉗子は現在の医療状況下では原則として行われない。

鉗子分娩の利点

  • 牽引を確実に行うことができる。
  • 回旋異常に対応することができる。
  • 頭血腫、帽状腱膜下出血の頻度が小さい。
  • 肩甲難産の発生率が比較的小さい。

鉗子分娩の欠点

  • 腟壁の損傷が大きくなる可能性。
  • 3〜4度裂傷の頻度の増加。
  • 児の頭蓋内出血の頻度がやや大きい。
  • 児の一過性の顔面神経麻痺の可能性。
  • 児の眼球損傷の可能性

出典:鉗子分娩 - Wikipedia

 

なのこっちゃって方もいらっしゃると思いますが、要は鉗子と呼ばれる器具を使用して経膣のお産をサポートする方法。赤ちゃんの頭を鉗子で挟んで引っ張りだす手法。といった感じです。

 

我が家では出産途中に和痛分娩に切り替えたため、鉗子分娩になる可能性が高いことは事前に知らされていました。

リスク等もご説明頂きましたが、お産に時間がかかっていたこと、赤ちゃんの胎動が弱くなる瞬間があることなどから鉗子分娩に同意をするのは難しいことではありませんでした。

 

ただ、いざ鉗子分娩を行うとなった時、初めて鉗子を見た時はびっくりしましたね。

率直な感想として「え?これで赤ちゃん挟むの?大丈夫?」と思いました。

 

だってこれですから↓

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産科鉗子

そりゃ挟んでひっぱりだすんだから当たり前でしょと言われればそうなんですが、初見でこれはビビります。何せデカい!!

これを膣に入れて頭に引っ掛けて引っこ抜くような感覚なわけで、ちょっと怖いですよね。出来ることなら先に器具見せてほしかったな。。。

もし今後鉗子分娩に立ち会うことがある方いれば事前にこれが出てくると覚悟しておくといいかもしれません(笑)

 

とはいえ、鉗子分娩自体にとびっきりのリスクがあるわけではありません。

もちろんスムーズに補助無くお産できればいいですが、すべてがそういうわけにもいかないので、その時は母子の健康を第一に多少のリスクを飲み込む必要も出てきます。

最終的には先生の技量次第というところに落ち着くのかもしれませんので、産院選びは自分の納得いくようにしたいですね。

 

そしてこれをご覧いただいた産科のお医者様や看護師さん、助産師さんなどいらっしゃれば、鉗子や吸引の器具を事前に見せていただけると精神衛生上いいと思いますので宜しくお願い致します(笑)

夫視点での立ち合いレポート②

今回の内容は本陣痛開始に伴う入院から出産までを、立ち合い中に残したメモをもとに経過を追っていきたいと思います。

 

day1

17:00 陣痛開始

18:30 入院決定(子宮口3cm)

19:30 シャワー

20:00 夕食

22:00 心音確認

23:00 横になると激痛。座ると多少はマシに。8割の力で指圧。陣痛の間隔はずっと5~6分

 

day2

2:35 NST開始。臍帯の位置の関係で張ると胎児が少し苦しそう?姿勢を横向きに変えて続行

3:30 内診&エコー 子宮口が変わらず3cmで心が折れる

5:30 陣痛の間隔が3分間隔に変化。ただ張りの度合いは進展なし。

6:00 採血

7:45 子宮口は変わらず3cm。促進剤15ml/h投与。和痛分娩を選択。

8:00 促進剤が少し効いてきた?間隔がやや狭くなったが張りは変わらない

8:20 促進剤を30ml/hに増量。痛みがかなり強くなる。

9:30 子宮口5cmに拡大。和痛用の麻酔投与開始。

10:30 張った時に胎児心拍がかなり落ちる。体勢を変えれば大丈夫そう。

14:30 子宮口が9cm程に。麻酔を超したか切れたかでかなり痛くなったため追加。右向きだと臍帯の関係で心拍が落ちるらしい

15:35 胎児心拍が落ちたため、酸素吸入を開始

17:45 子宮口全開大

17:50 陣痛開始から24時間が経過したが破水せず。頭はかなり降りてきているので人工破膜決定。破膜後は鉗子分娩とする。

17:55 人工破膜に合わせていきんだところ、ほぼ自然に破水破膜。やや羊水混濁あり。

18:03 鉗子分娩で誕生。2754g 49.5cm 頭囲32.5cm 胸囲30cm

 

いかがでしょうか。

難産と呼ぶべきものではなかったかもしれませんが、中々お産が進まず、結果的に陣痛開始から25時間かかっての出産となりました。

 

当日は妻はもちろん、立ち会っている私もまったく余裕がなく、記憶できる自信がなかったので何かイベントが起こった時にはそれを残しておこうと思いメモを取っていました。

ただ、やっぱり今見返すと途中途中抜けていて(特に促進剤の増量部分)、当日の余裕のなさが見て取れますね。

ただ、それでもこれを見ると当日のあの空気感を思い出しますし、涙が出そうになります。

 

途中心拍が落ちてきたときなどは気が気でなく、祈る事と不安な様子を極力押し殺すことに精一杯でした。

中々進まないお産にはヤキモキしましたし、これまで見たことない妻の苦しみ方に恐怖すら覚えました。

いざ破膜となったタイミングで先生方が10人くらい入ってきて「何かやばいのか?」と不安になったことも鮮明に思い出します。

破水の勢いにもびっくりしましたし、鉗子のデカさにも驚きましたし、何より赤ちゃんが無事に出てきたときの感動と安堵は忘れるべくもありません。

その後の処置も全て見ましたが中々の光景で、トラウマにならなくてよかったな、なんてことも思ったりもします。

 

今はまだ多少なりとも記憶に色がついてますが、これが褪せてきた時にメモを見返してまた思い起こせればいいかな、なんて思います。

 

 

さて、まとまりがなくなってきているので当日の様子はこれまでとします。

次回からは鉗子分娩と和痛(無痛)分娩について書いていきたいきます。

陣痛到来!!夫視点での立ち合いレポート①

前回の記事では臨月に入り前駆陣痛とおしるしが来たものの、中々本陣痛につながらずヤキモキしているお話しをしました。

 

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今回はいよいよやってきた本陣痛と、このご時世にありながら幸運にも出産に陣痛開始から立ち会えたので、その様子を綴っていきたいと思います。

 

おしるしが来はじめてから2週間が経過した38w4dの朝、明らかにこれまでと違う痛みを感じたとのことで病院に直行。ですが、この段階ではまだ歩けもし、病院での検査の結果も

「本陣痛までもう少し」

といった状態でした。

 

一旦帰るかとなり、帰路に就いたものの、病院を出るか出ないかのタイミングで歩行が困難になるレベルの痛みに襲われる妻。

本陣痛なのではないか?という思いが過るものの、とりあえずはタクシーに乗り込み帰宅。

しかしながら痛みが引くことはなく、間隔も5~6分であったため夕方に再度病院へ。

子宮口は3cmだったものの、痛みが強いということもあり入院が決まりました。

 

コロナ禍という状況にあって夫の立ち合いが許されない、あるいは全開大から立ち合い可という産院の話も多く聞きますが、我々が入院した場所では本陣痛開始から出産までの立ち合いが認められていました。

 

ここから長い長い闘いが始まります。

 

次回は当日のメモをもとに時系列に沿ってレポートを残していきます。

おしるしと前駆陣痛の到来。

前回の記事では妊娠後期にひどい腰痛に悩まされた話をしました。

多くの妊婦さんが通る道とはいえ、妊娠・出産がどれほど身体に大きなダメージを残していくかの分かりやすい例ですね。

 

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さて、今回はついにおしるしと前駆陣痛が到来します。

以前もお話しした通り、妻は抗リン脂質抗体症候群を持っており、その関連で全身性エリテマトーデス(SLE)の疑いもありました。

抗リン脂質抗体症候群では不育症リスクが高まる一方、SLEでは早産リスクが高まるようで、妊娠初期の段階でお医者様からは

「30週を越せれば上出来。それ以前でも兆候が見られれば出す可能性も考慮しておいて」

と言われていました。

 

しかし、蓋を開けてみればなんてことはなく、多少(1週分くらい)小さ目ではあったものの順調に育っていき、30週を超えても生まれるような気配はありませんでした。

 

そして迎えた臨月。まずはうわさに聞く前駆陣痛がやってきます。

とはいえ、この段階では「いつもの張りとは明らかに違う感覚だけどそれほどでも」といったくらいだったみたいですね。

そして続いておしるしがやってきます。この時点で36週の後半。

少し早いけどいよいよ来るのか!?と色めき立つ我が家。

初産婦は予定日を過ぎることが多いとは何だったんだ!と思いつつも、胎児の体重は2500を超すほどにはなっていたので特に問題はありません。

 

そこから1日、2日、、、なかなか来ない陣痛。

調べてみるとおしるしから数日~1週間で陣痛が来ることが多いらしいがしかし。

 

1週間が経とうとしても前駆陣痛はあれど陣痛が来る気配は無し。

とはいえ夜になると前駆陣痛が来るのでソワソワして眠れない毎日。

 

おしるしからちょうど一週間のとある朝

「今朝、明け方から前駆陣痛が10分間隔できてた」

との報告。ついに来た!これはお産につながるやつでは!!と準備をする我が家。

 

が、産まれず。

 

そうこうしているうちに38週に突入し、どんどんと強まる前駆陣痛。

横になると痛みが強くなるようで、眠ることが難しくなってきた妻。

早く出てきてくれと思いながらどうすることもできないのでマッサージ等でやり過ごす毎日を過ごしていました。

 

なおも強くなる前駆陣痛。

夜間の間隔が6分ほどになり眠れないほど痛いとのことで産院へ駆け込むが、NST開始とともに15分間隔になり痛みも引いていく前駆陣痛。

早くも我が子に翻弄される妻と私。

 

そんなこんなでバタバタとしているところ、38w4dにその日は来るのでした。